東京シューレは、フリースクールの運営を中心に、学校に行ってない子どもとその親を支援するさまざまな活動を行っています。
団体の名前である、「シューレ」というのは、ギリシャ語の「精神を自由に使う」という意味の言葉を持つそうです。
様々な理由から「学校に行けなくなった子どもたち」を、”子どもが悪い!”という考え方になってしまうと、親との関係性が悪化し、子どもたちは家庭の中でも居場所がなくなってしまいます。
「学校に行けるようにする」のではなく、「家庭で子どもたちを受け入れていく」という発想から、「親が子どもの理解者」となり、安心して成長していくことができる”場”を子どもたちに提供しようと、1985年に親同士が協力して作り上げたのが、『東京シューレ』の始まりです。
東京シューレでは、活動をする上で大事にしていることが4つあります。
私が訪問したフリースクール「王子シューレ」は、現在6歳〜20歳までの子どもたちが通っています。その中の半数が高等部の子どもたちだそうです。
その背景の1つとしては、中学に上がると同時に不登校になってしまう子どもたちが多いからとのこと。
「中1ギャップ」と呼ばれるそうなのですが、小学校でのびのびと学校生活を送っていた子どもたちが、中学に入った途端、テストが多くなるなどして、新しい環境にうまく馴染めず、学校に行かなくなるケースが多いのだそうです。
東京シューレでは、スタッフと子どもが同じ場で議論し、同じ1票の投票権をもって物事を決めています。様々な行事や企画を「子どもたちとのミーティング」で話し合って決めて、みんなで実行する。それをどのように実現したらよいかとスタッフがサポートする、そんな関係作りをベースとして、子どもたちが安心して過ごせる場を作ろうとしています。
シューレに通う子どもたちは「月曜日が待ち遠しい」とよく言うそうです。そして”シューレがお休みになる「春休み」や「夏休み」がなければいいのに!”と発言する子どもたちもいるそうです。
シューレはフリースクールの運営だけでなく、様々な新しい挑戦もしています。
2007年4月、構造改革特区の認定をうけて、「学校法人東京シューレ学園 東京シューレ葛飾中学校」を設立しました。
20年以上にわたって積み重ねてきた子ども中心のフリースクールの実践を生かし、フリースクールを公教育の中に位置づけようと進めてきたものが実現しました。全国でも先駆的なモデルとして、今注目を浴びています。
しかし、団体として学校法人の設立までには、多くの議論の積み重ねと、様々な課題を乗り越える必要がありました。
「学校」とは非なるもの、「フリースクール」を作ることを活動の出発点としてきたのに、「なぜ、フリースクールの”学校”を作るのか?」という疑問から、学校を作ることの動機が理解されることが難しかったと言います。そして、今でも議論は続いています。
学校ができて1年が経ったこれまでを振り返り、
「”学校法人東京シューレ学園”と従来の”フリースクールシューレ”は、子どもたちの多岐に渡るニーズを満たすために両方の機能が必要なんです。」
と事務局長の中村さんはおっしゃいます。
また、「最近の5〜6年の傾向として、東京シューレのフリースクールに通う子どもたちから、たくさん話を聞くという時間が非常に増えました」とのこと。
「不登校になった子どもたちを昔のように”強制的に学校に連れ戻す”ということは少なくなってきた。しかし、最近は「医療」が非常に身近になってきたことから、逆に何か心の問題があると見なされたとたん、精神疾患と結びつけて、病院に通い始めてしまうケースが増えてきた。医療面含めて、”子どもたちをサポートする”手段は増えたが、その反面、”なぜ、不登校になってしまったのか?”という理由、その背景が十分に理解されないまま、子どもたちのサポートがなされてしまっているのではないかと危惧しています。」とおっしゃっていました。
様々な理由から不登校になる子どもたちをどのようにサポートしていくのか?
とても難しいテーマであり、様々な議論もあると思います。
東京シューレのように不登校になった子どもたちをまず受け入れる場も社会において重要な役割ですし、そしてフリースクールで受け入れきた子どもたちが巣立った後、社会がどのようにその子どもたちを受け入れていけるのかも、大きな課題であると言えます。
お話を伺って、子ども支援の難しさと重要性を考えさせられました。
そんな難しい社会的課題をテーマとして、20年以上もの間活動を続けてきた東京シューレ。
子どもの話にじっくりと耳を傾け、そして子どもが本当に求める成長の場を提供しようと日々努めている、そんなシューレ事務局長とスタッフの方のひたむきな姿勢を感じました。
今回お話を伺った東京シューレの応援は、ガンバを通じてできます!
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