日本では鳩山首相が「2020年に25%減(90年比)」を宣言して喝采を浴びましたが、スウェーデンでは市(コミューンという行政単位)で明確に目標を決め、既に20%減まで近づいているところがあります。
今回訪れたヘルシングボリはスウェーデンで9番目に大きな市。
デンマークとわずか4.5Kmの国境の港町で、人口は約12万人です。
イケア(家具)の本部があります。
■ EUの目標「2020年に20%減(90年比)」に対して、
■ ヘルシングボリの目標は「2010年に20%減(90年比)」!
10年も早くEU目標を達成しようという野心的な目標なのです。
ちなみに、スウェーデンの首都ストックホルムは、2050年CO2排出ゼロを掲げています。
(参考記事)
グリーン都市、ストックホルム副市長に聞く環境活動――2050年CO2排出ゼロは可能か?(2009/7/28 環境メディア)
http://kankyomedia.jp/news/20090728_3466.html
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ヘルシングボリの街の様子です。
バイオ燃料の緑色のバス。街中のほとんどが緑のバスになっています。
写っている女性はコーディネータのレーナさん。
バイオ燃料は汚水から出るガスも利用。もちろん有機ゴミも大事な燃料ですから無駄にしません。
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小学生向けの環境テキスト(絵本)は、元教員が中心の環境専門チームがエネルギー会社のサポートを受けて作成。
なんと市の90%の小学校で利用されています。
1年生から8年生(中学2年)用まで各テーマがあります。
1年生:エネルギー
2年生:栽培
3年生:ゴミ
4年生:森
5年生:水
6年生:エネルギー&コミュニケーション
7年生:空気
8年生:有機ゴミ(バイオマス)
1年生のエネルギーでは人気キャラクターが登場。
環境に悪いと嫌われて、いいことをするとキスしてもらえるストーリーが受けているそうです(笑)。かわいいですね。
親も一緒に学ぶ仕組みで、必ず体験とセットにする点が特徴。
体験型施設も整っていました。
日本でもやってますが、ここまで内容が濃くて使い易いものはないかも知れません。
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現在2010年計画として、6つのプログラムが進んでいます。
・市民の協力
・持続可能な交通システム
・持続可能なエネルギー
・健康なヘルシングボリ
・持続可能な都市計画
・クリーンな水
■特徴はなんと言っても市民の協力
もっとも大事な政策の柱です。
なぜなら、市議会議員の大半が通常の仕事と並行して議員の仕事をするスウェーデンでは、公職者はメールなども公開され、透明性は日本の比ではありません。
ジャーナリストや市民が常に政策決定や執行をウオッチし、問題があると思えばすぐに報道されます。
このため市民の政治への参画度合いは、単に投票に留まらず、自分たちが政策決定と執行に関わっているという感覚があります。
だから、目標を20%減に定めたら、市民も自分のこととして取り組むんですね。国・県レベルだと大きすぎて他人事になりがちですが、自分の住んでいる街のことは自分たちで決める「コミューン分権」が当たり前。
日本も県レベルより市レベルへの分権を進めて、市民の当事者意識を変えていくことが、サステナブル社会を進める源になるのかも知れません。(鷹野)
↓かなりこじつけ第3弾。
GiveOneの環境政策関連プロジェクトをご紹介。日本でも政策提言NPOが活躍しています!!
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■ 気候ネットワーク・マンスリー会員
(気候ネットワーク)
※温暖化防止京都会議(COP3)を成功させるために活動した「気候フォーラム」の趣旨・活動を受け継いで、1998年4月に設立。
■ 持続可能な社会の実現のための立法化部会
(環境文明二十一)
■ グリーン経済プロジェクト
(環境文明二十一)
■ ESD-Jマンスリー会員
(持続可能な開発のための教育の10年推進会議(ESD-J))


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