Give Oneでも紹介している「難民を助ける会」の岡山さんにご案内をしていただき、同会が支援している障害者・高齢者の福祉施設のひとつ、社会福祉法人みのり会の理事/施設長の笠井晃さんと、生活介護施設るばーと サービス管理責任者 主任支援員の目黒恵美子さんにお話をうかがいました。(左から笠井さん、難民を助ける会の岡山さん、目黒さん)
みのり会は、知的障害と身体障害を持った方が利用する施設としては、名取市で唯一の施設です。
●生活介護事業所 るばーと(定員35名)
●地域活動支援センター らるご(日々25名)
●日中一時支援 ゆらり(日々3名)
●就労継続支援事業 名取市みのり園(定員25名)
を運営していましたが、3.11の大地震による津波のため、そのうちの「るばーと」と「らるご」と「ゆらり」の入った施設がめちゃくちゃになってしまいました。
建ててまだ9年。2月に改装工事が終わり、いただいた60インチの大型テレビも設置して、みんなで喜んでいた直後でした。庭の大きな桜の木は根こそぎ流され、プレハブも跡形もなく消えました。
施設の後ろは森になっていて、施設は全く見えなかったそうですが、木はほとんど流されてしまいました。
ボランティアさんに片付けていただいて、今はこれでも少しはきれいになりました。でも建物はもう二度と使えません。
【地震発生!すぐに逃げて利用者さんの安全を確保】
施設は壊滅しましたが、職員の適確な判断により、利用者さんや職員の方は全員無事でした。地震が発生した14時46分は、ちょうどお茶の時間で全員が一カ所に集まっていたことに加え、帰りの時間が近かったために、ドライバーさんも車も準備ができていたことが幸いしたと、目黒さんはおっしゃっています。
しかし判断をひとつ間違えば、大変なことになっていたはず。一瞬の迷いもなく、渋滞で道が込み合う前に、安全な場所に逃げることができたのは、職員の方のすばやく適確な判断があったからこそです。
また、避難した先は高台ではなく、津波の様子がいっさい見えなかったのが、ほんとうに良かったとおっしゃっています。「当日、高い建物の上に逃げて津波の被害を目撃した人は、ずいぶん精神的に傷ついているといいます。みのり会の利用者の方々は見ていなくて本当によかった。おかげで元気に過ごせています。」と施設長の笠井さんは言います。
【まずは避難先の確保】
3月11日の夜は、避難所となった体育館の脇に施設の車を9台、縦列駐車して、家族が迎えにきた人以外は車中泊をしました。大勢の見知らぬ人の中で過ごすことが難しい利用者さんが多いからです。トイレも停電でろうそくの灯りだけですし、よく利用者さんがパニックにならずに過ごせたと、目黒さんは振り返っていました。
3月12日からは、津波の被害に遭わなかった、就労継続支援事業 名取市みのり園(クッキーを作る作業所)に移りました。利用者さんのうち5名が、ご家族を亡くされて、泊まりの支援も必要だったことから一部屋を宿泊用の部屋にあてましたが、みのり園の活動ができなくなってしまいます。幸い、名取市にある酒屋さんのご好意で、空いていた2階を使わせていただくことができました。
【利用者さんの安心・安全を第一に】
職員も23名が車を失ったり、家や家族が被害にあった方もいたにもかかわらず、利用者さんの安全の確保と支援は待ったなしです。普段から利用者さんと心を通わせ、ひとりひとりのことをよく理解していたことが、このような想像を超えた災害の際にも適確な判断につながったのだと思います。
(田口)
(続く)

写真見ても、被害は甚大だったんですね。
リフレッシュ法、もしよかったら参考にしてください。
http://www.youtube.com/watch?v=r5McGB552Dc
お役に立てなかったら申し訳ないです。